ハマース政治局長ミシュアルのヨルダン国王との会談

池内恵
執筆者:池内恵 2012年1月31日

 「アラブの春」の地殻変動がパレスチナ問題に及んでいる。1月29日、ヨルダンのアンマンで、ハマース政治局長のハーリド・ミシュアルがヨルダンのアブドッラー国王と会談した。ハマースはガザに草の根の地盤を築きつつ、主要指導者は国外に出て活動してきた。実質上の最高指導者のミシュアルは1999年にヨルダンから放逐されて以来、シリアのダマスカスを拠点に活動してきた。
http://www.washingtonpost.com/world/middle_east/hamas-leader-visits-jordan/2012/01/29/gIQAvNs5ZQ_story.html?wpisrc=nl_cuzheads

 仲介したのは「またも」カタルである。今回はタミーム・ビン・ハマド皇太子がアブドッラー国王とミシュアル政治局長との会談に同席した。国内では異論を封殺する独裁体制を敷いている小国カタルは、アル=ジャジーラの報道攻勢を背にして、アラブ諸国の反体制抗議行動に肩入れして各国の政権に圧力をかけ、仲介者の役割を演じて見せる派手な立ち回りを近年頻繁に行っている。カタルはヨルダンに対し、天然ガスの有利な供給と引き換えに、ハマースの拠点を受け入れるように働きかけているとされる。

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執筆者プロフィール
池内恵
池内恵 東京大学先端科学技術研究センター准教授。1973年生れ。東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究専攻博士課程単位取得退学。日本貿易振興機構アジア経済研究所研究員、国際日本文化研究センター准教授を経て、2008年10月より現職。著書に『現代アラブの社会思想』(講談社現代新書、2002年大佛次郎論壇賞)、『イスラーム世界の論じ方』(中央公論新社、2009年サントリー学芸賞)、『イスラーム国の衝撃』(文春新書)、本誌連載をまとめた『中東 危機の震源を読む』などがある。個人ブログ「中東・イスラーム学の風姿花伝」(http://ikeuchisatoshi.com/)。
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