行政改革を巡る動き 「天下り1法人1人」のルール化?

原英史
執筆者:原英史 2012年1月31日
カテゴリ: 政治
エリア: 日本

 

政府・民主党で、「行政改革」をめぐる動きが活発・・・と見える。
 
政府では、31日、従来の行政刷新会議などを改組して、「行政改革実行本部」(本部長:野田総理)を設置し、初会合。
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/gyoukakuhonbu/dai1/gijisidai.html
 
 一方、民主党サイドでは、党行革調査会で「行政構造改革実行法案(仮称)」の検討が進められている。
 
 だが、大事なのは、会議を開催することではなく、「行政改革」の中味。
 公表資料や報道で見る限り、その中味は、甚だ不十分だ。
 
(1)公務員人件費は、「2割削減」のマニフェスト実現に向けて、いまだ道筋を示せていない。
 
(2)特別会計改革や独立行政法人改革は、「特別会計を17から11に」「独立行政法人を102から65に」といった削減計画がすでにまとめられたが、これらは、いかにも数合わせ。多くは統合して数を減らしているだけで、実際の予算削減効果も不明だ。
 
 しかも、その統合も、独立行政法人の場合、同じ所管省庁の法人の中だけでの統合にとどまる。本来ならば、例えば、関連性ある理系の研究機関を、省庁の枠を超えて統合するようなことができれば、単なる効率化でなく、より効果的な事業実施にもつながる。だが、「独立行政法人は各省庁の子会社」という役所的な通念にとらわれて、こうした発想もできていない。
 
(3)天下りの問題も、後退が著しい。
 公募に名を借りた天下りや、「現役出向」と称する抜け道を認めたまま、問題解決を目指す動きはない。
 
 さらに最近の報道によれば、「天下りは1法人1人に」というルール設定を打ち出す方針ともいう。かつて民主党が高らかに唱えたはずの「天下り根絶」は一体どうなったのか。
 こんなルールを作ったら、天下り法人の数をどんどん増やせばよいことになってしまわないか?
 
(原 英史)
 
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執筆者プロフィール
原英史
原英史 1966年東京都生れ。東京大学法学部卒、米シカゴ大学院修了。89年通商産業省(現・経済産業省)入省。大臣官房企画官、中小企業庁制度審議室長などを経て、2007年から安倍・福田内閣で行政改革・規制改革担当大臣の補佐官を務める。09年7月退職。株式会社政策工房を設立し、政策コンサルティング業を営む。大阪府・市特別顧問、国家戦略特区ワーキンググループ委員(内閣府)、社会保障審議会年金事業管理部会委員(厚生労働省)を務めるほか、NPO法人万年野党理事、「地方議会を変える国民会議」発起人など。著書に『官僚のレトリック』(2010年、新潮社)、『「規制」を変えれば電気も足りる』(2011年、小学館101新書)、『日本人を縛りつける役人の掟/岩盤規制を打ち破れ』(2014年、小学館)、『国家と官僚』(2015年、祥伝社新書)。
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