ヒスパニック票を巡るオバマとロムニーの対応

足立正彦
執筆者:足立正彦 2012年2月6日
カテゴリ: 国際
エリア: 北米

 バラク・オバマ大統領にとり、ヒスパニック系有権者の支持をつなぎとめることは、今年11月に行なわれる大統領選挙での再選を果たすうえで非常に重要となる。そのことを示すかのように、米議会上下両院合同本会議で一般教書演説を行なった翌日の先月25日から3日間の日程で全米5州を遊説したが、そのうちの3州は州の人口に占めるヒスパニック系住民の割合が20%を超えるネヴァダ、コロラド、アリゾナであった。オバマ大統領は遊説先のこれら3州で数多くのヒスパニック系の視聴者を抱えるスペイン語の大手テレビネットワークであるUnivisionや各州の地元スペイン語メディアのインタビューに積極的に応じた。

 スペイン語の各メディアとのインタビューの中でオバマ大統領は、2010年中間選挙直後の第111議会のレイムダック会期で、上院共和党の議事妨害を阻止するために必要な60票に達しなかったために上院本会議に上程できずに実質的に否決となった「ドリーム法案(DREAM Act)」に、ミット・ロムニー前マサチューセッツ州知事もニュート・ギングリッチ元下院議長(ジョージア州第6区)も反対している事実に言及している。「ドリーム法案」は、不法移民の親に幼少期に米国に一緒に連れられてきた何の罪もない若者に、米国内での学歴や軍役など一定条件を満たしている場合、在留資格を付与しようとする内容の法案である。オバマ大統領は「ドリーム法案」に反対しているロムニーやギングリッチの姿勢を、ヒスパニック系有権者や不法移民が数多く存在する地域で指摘したのである。

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執筆者プロフィール
足立正彦
足立正彦 住友商事グローバルリサーチ シニアアナリスト。1965年生れ。90年、慶應義塾大学法学部卒業後、ハイテク・メーカーで日米経済摩擦案件にかかわる。2000年7月から4年間、米ワシントンDCで米国政治、日米通商問題、米議会動向、日米関係全般を調査・分析。06年4月より現職。米国大統領選挙、米国内政、日米通商関係、米国の対中東政策などを担当する。
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