ジェレミー・リンは台湾出身か中国出身か

野嶋剛
執筆者:野嶋剛 2012年2月18日

  米プロバスケNBAで彗星のように登場したジェレミ ー・リンという選手が全米中の話題をさらっている。

 もともと本当に目立たない選手だったのに、出場機会を与えられた途端に爆発的な活躍をみせて、全米記録を塗り替えかねないようなスコアを毎試合たたきだしている。

 23歳のリンの活躍の詳細については一般紙に譲りたいが、ここで書きたいのはリンがどのようなバックグラウンドの人物かということだ。

 23歳のリンは、名前の通り、林という姓で、フルネームは林書豪という。NBAで初めての東洋系米国人二世の選手とされている。両親は台湾出身だ。しかし、生まれたのはロサンゼルスというから、もうすっかり米国人として育った若者である。

 ただ、台湾の新聞では連日、リンの活躍を大々的に取り上げ、「我が国の誇り」というように報道している。

 一方、中国でもリンは引退した姚明にかわってNBAに現れた「中国出身」のヒーローとして大きく報じられ、「台湾人」などという書き方はされていない。

 両岸(中台)で、リンを取り合っているような構図になっている。

 これに対し、最近、台湾にいるリンの伯父(つまり父親の兄)は、ニューヨークタイムズの取材に対し、「彼らは台湾人だ。このことははっきりさせておきたい」と答えた。

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執筆者プロフィール
野嶋剛
野嶋剛 1968年生れ。ジャーナリスト。上智大学新聞学科卒。大学在学中に香港中文大学に留学。92年朝日新聞社入社後、佐賀支局、中国・アモイ大学留学、西部社会部を経て、シンガポール支局長や台北支局長として中国や台湾、アジア関連の報道に携わる。2016年4月からフリーに。著書に「イラク戦争従軍記」(朝日新聞社)、「ふたつの故宮博物院」(新潮選書)、「謎の名画・清明上河図」(勉誠出版)、「銀輪の巨人ジャイアント」(東洋経済新報社)、「ラスト・バタリオン 蒋介石と日本軍人たち」(講談社)、「認識・TAIWAN・電影 映画で知る台湾」(明石書店)、訳書に「チャイニーズ・ライフ」(明石書店)。
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