クオ・ヴァディス きみはどこへいくのか?

英王室の存在感

執筆者:徳岡孝夫 2012年2月21日
エリア: ヨーロッパ アジア

 先の大戦中も家族と共にドイツ空軍やロケットの猛攻下にあったロンドンに留まり英国民の士気を鼓舞した。そういう勇敢な国王ジョージ6世は、戦後の1952年2月にイングランド東部ノーフォークでの狩猟中、急病で亡くなった。後を継いで王女エリザベスが即位した。ちょうど60年前のことである。今年は、そのダイヤモンド記念。  先日、エリザベス2世は、そのノーフォークに父王急逝の跡を訪ねた。それは今年のめでたい「イングランドの春」を5カ月がかりで祝う「女王即位60年」記念行事の幕開きを告げる儀式の始まりでもあった。

カテゴリ: 社会
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執筆者プロフィール
徳岡孝夫(とくおかたかお) 1930年大阪府生れ。京都大学文学部卒。毎日新聞社に入り、大阪本社社会部、サンデー毎日、英文毎日記者を務める。ベトナム戦争中には東南アジア特派員。1985年、学芸部編集委員を最後に退社、フリーに。主著に『五衰の人―三島由紀夫私記―』(第10回新潮学芸賞受賞)、『妻の肖像』『「民主主義」を疑え!』。訳書に、A・トフラー『第三の波』、D・キーン『日本文学史』など。86年に菊池寛賞受賞。
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