忘れ去られた「レーガンの不文律」とネガティブ・キャンペーン

執筆者:足立正彦 2012年2月21日
エリア: 北米

 共和党は僅か約1年3カ月前の2010年11月に行なわれた中間選挙では、保守派有権者の自然発生的な草の根運動であるティーパーティー(茶会党)運動の追い風を受けて歴史的勝利を収め、下院では過半数の議席を民主党から奪回した。共和党系有権者の間では2012年大統領選挙でもオバマ再選を阻止してホワイトハウスを4年ぶりに奪回し、また、上院でも過半数の議席を獲得して共和党主導の政治体制を築こうとするエネルギーに満ちていた。だが、2012年共和党大統領予備選挙・党員集会がスタートしてから約1カ月半が経過したが、これまでのところ共和党系有権者の投票率や参加者数が低調となっており、4年前の共和党大統領候補指名獲得争い当時と比較すると、今回は投票率が平均約10ポイントも低下してしまっており、共和党系有権者の盛り上がりに欠けているのが現実である。

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執筆者プロフィール
足立正彦(あだちまさひこ) 住友商事グローバルリサーチ株式会社シニアアナリスト。1965年生まれ。90年、慶應義塾大学法学部卒業後、ハイテク・メーカーで日米経済摩擦案件にかかわる。2000年7月から4年間、米ワシントンDCで米国政治、日米通商問題、米議会動向、日米関係全般を調査・分析。06年4月より、住友商事グローバルリサーチにて、シニアアナリストとして米国大統領選挙、米国内政、日米通商関係、米国の対中東政策などを担当し、17年10月から米州住友商事ワシントン事務所に勤務、20年4月に帰国して現職。
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