大いなる少数派「ロシア系」に悩むラトヴィア

国末憲人
執筆者:国末憲人 2012年2月24日
カテゴリ: 国際 文化・歴史
エリア: ヨーロッパ ロシア

 バルト3国ラトヴィアの首都リガは「バルト海の真珠」と呼ばれ、欧州の首都の中でもプラハと並んで最も美しい街の一つといわれている。世界遺産に登録された旧市街にはいくつもの塔が立ち並び、中世の建築物が残る。街の中はこぎれいで、北欧に近いと実感できる。


 しかし、少し町外れに行くと、無機質で画一的な中層アパートが並ぶ地域がある。おんぼろの路面電車がごとごと走る。治安状況もあまり芳しくない。ソ連時代につくられた街並みだ。


 1940年にラトヴィアを併合したソ連の遺産は、こうした地区の風景ばかりではない。何より、大量のロシア人が移住した。工業化が進み、海があって自然が豊かなこの国は、ソ連時代の支配階級ロシア人にとってあこがれの保養先だったからだ。しかし、91年の独立によって、彼らはラトヴィアに取り残された。現在約220万人の国民の中で、ロシア系は約3割、リガでは70万人の人口のほぼ半数に達する。

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執筆者プロフィール
国末憲人 1963年岡山県生まれ。85年大阪大学卒業。87年パリ第2大学新聞研究所を中退し朝日新聞社に入社。パリ支局長、論説委員を経て、現在はGLOBE編集長、青山学院大学仏文科非常勤講師。著書に『自爆テロリストの正体』『サルコジ』『ミシュラン 三つ星と世界戦略』(いずれも新潮社)、『ポピュリズムに蝕まれるフランス』『イラク戦争の深淵』『巨大「実験国家」EUは生き残れるのか?』(いずれも草思社)、『ユネスコ「無形文化遺産」』(平凡社)、『ポピュリズム化する世界』(プレジデント社)など。
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