ミャンマーを目指す「台商」たちの狙い

樋泉克夫
執筆者:樋泉克夫 2012年3月12日
カテゴリ: 国際 経済・ビジネス

 当時、台湾のビジネスマンや企業家を「台商」と呼んでいたかどうか定かではないが、1980年代末から90年代前半、彼らがインドシナ3国(ヴェトナム、ラオス、カンボジア)に大挙して向かい、さらにミャンマー(国名は89年までビルマ)進出の動きをみせていた。なぜ台湾から、だったのか。

 じつは70年代半ばにヴェトナム戦争が終結しインドシナ3国が社会主義化したことで、この地域から多くの華人企業家が逃げ出した。社会主義社会では、それまでと同じような自由な企業活動ができなくなることを恐れたからだ。蒋介石・蒋経国政権下の台湾は、そんな彼らにとって身近な逃避先だった。それから十数年。ヴェトナムを筆頭にラオスもまた中国に倣い経済開放政策に転じ、カンボジアの内戦も終結したことで、台湾に逃れていた華人企業家たちが舞い戻る。彼らを“水先案内役”として、台商は商機を求めインドシナ3国に渡り、ミャンマーに向かった。

 この時を台商の第1次ミャンマー・ブームとするなら、東南アジアに展開する台商にとって、いま第2次ミャンマー・ブームが起きつつある。だが、その背景は必ずしも同じというわけではない。
 

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執筆者プロフィール
樋泉克夫
樋泉克夫 愛知大学教授。1947年生れ。香港中文大学新亜研究所、中央大学大学院博士課程を経て、外務省専門調査員として在タイ日本大使館勤務(83―85年、88―92年)。98年から愛知県立大学教授を務め、2011年より現職。『「死体」が語る中国文化』(新潮選書)のほか、華僑・華人論、京劇史に関する著書・論文多数。
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