民間事故調報告……やはり最低の総理だった

2012年3月12日

 福島第一原発事故に関する民間事故調査委員会の報告書が発表された。現場の混乱、関係機関相互の連携の不備に加えて、司令塔である総理官邸が機能不全に陥っていた様子が生々しく明らかにされた。

 報告書は、巨大津波と原発の電源喪失という「想定外」の事態に対応するマニュアルがなく、関係者が統制された行動を取れなかったことに最大の問題を求めると同時に、菅直人総理のパーソナリティーがもたらした指揮系統の混乱が事態を悪化させたと指摘している。

「想定外」ということは、マニュアルがないことと同義だ。人は、過去の経験にとらわれて行動する。同時に、人は、過去の経験を上回る事態を想像することもできる。歴史は、人の想像を超える事態が起こりうることを教えている。また、過去の経験の範囲であっても、生起する事態はすべて新しい要素を含んでいる。それ故、想定とマニュアルは、対処の必要条件であって十分条件ではない。

 事態と対処は、たえず不確定要素を含んでいる。それを乗り越える力は、「知恵の結集」だ。言い換えれば、「人の和」であり、リーダーシップへの信頼に他ならない。クラウゼヴィッツの言葉で言えば、「戦場の霧」を克服する「将帥のアート」だ。

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