エジプトのムスリム同胞団が独自の大統領候補を擁立

池内恵
執筆者:池内恵 2012年4月2日

 3月31日の幹部会で、ムスリム同胞団が独自の大統領候補擁立を決め、副団長のハイラト・シャーティルを指名した。シャーティルは形式上ムスリム同胞団の役職を辞して選挙戦に臨むが、ムスリム同胞団の公認候補であることは紛れもない。団員から候補者は擁立しないとしてきたこれまでの立場を一変させた形だ。
http://www.egyptindependent.com/node/744031
http://www.thedailynewsegypt.com/egypt/egypt-muslim-brotherhood-names-presidential-candidate.html
http://www.thedailynewsegypt.com/editorial/egypts-muslim-brotherhood-to-bid-for-presidency.html

  3月24日の声明で軍を批判し、独自候補擁立の姿勢を明確にしてから一週間余りの議論で、方針転換を決定した。これまで軍やリベラル派との対立を避けて「ロー・プロファイル」できたムスリム同胞団が、ついに権力独占の意志を明確にしたのかと、国際的な注目が高まっている。

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執筆者プロフィール
池内恵
池内恵 東京大学先端科学技術研究センター准教授。1973年生れ。東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究専攻博士課程単位取得退学。日本貿易振興機構アジア経済研究所研究員、国際日本文化研究センター准教授を経て、2008年10月より現職。著書に『現代アラブの社会思想』(講談社現代新書、2002年大佛次郎論壇賞)、『イスラーム世界の論じ方』(中央公論新社、2009年サントリー学芸賞)、『イスラーム国の衝撃』(文春新書)、本誌連載をまとめた『中東 危機の震源を読む』などがある。個人ブログ「中東・イスラーム学の風姿花伝」(http://ikeuchisatoshi.com/)。
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