マイクが拾った「深イイ話」……核サミットにおける米露首脳の内緒話

2012年4月6日

 先月下旬、ソウルで開催された「核サミット」の際に行なわれた米ロ首脳のひざ詰め会談の一部がマイクに拾われて、取材のため入室したメディアに知られて報道されるという「珍事件」があった。

 両国は、欧州へのミサイル防衛網の配備をめぐって対立を続けている。「暴露」されたのは、オバマ米大統領が「秋の大統領選挙前に妥協することは難しいが、選挙が終われば柔軟に対応する」趣旨を述べ、メドベージェフ・ロシア大統領が「その旨をウラジーミル(プーチン首相)に伝える」と応じたくだりである。これは、まぎれもなく一種の「裏取引」だ。

 首脳間の内緒話が、当人たちの「うっかり」で明るみになること自体が珍事だが、今回の件は、スキャンダル以上の大きな含意を持っている。その1つは、メドベージェフが当然のように「プーチンに伝える」と応じたのは、ロシアの真の権力者がプーチンであること、それを米・露の大統領が「常識」のように扱っていることだ。

 時折、プーチンとメドベージェフとの確執が取りざたされているが、ミサイル防衛のような戦略問題について判断する者が決まっているということは、ロシアの権力の所在について内紛的要素は存在しないことを意味している。

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