プーチン氏の天敵

名越健郎
執筆者:名越健郎 2012年4月8日
カテゴリ: 国際 政治
エリア: ロシア

 ロシアのプーチン首相が5月7日に大統領に就任した後、当面の注目点は米露関係の展開だ。プーチン氏は5月18、19日のキャンプデービッド・サミット(主要国首脳会議)でオバマ大統領と会談し、悪化した米露関係の調整を図る。

 3月末、ソウルで行なわれた米露首脳会談でハプニングがあった。オバマ大統領が代表取材による冒頭撮影時、マイクが入っていることに気付かず、メドベージェフ大統領に顔を寄せ、「これが私の最後の選挙だ。選挙後はより柔軟性を持てる」と欧州ミサイル防衛(MD)問題で譲歩を示唆。メドベージェフ大統領は「分かっている。ウラジーミルに伝える」と返答した。

 この発言をめぐり、共和党大統領候補のロムニー氏はオバマ大統領の対応を痛烈に批判。「ロシアは疑いなく、米国にとって地政学的に第1の敵だ」と強調した。

 プーチン氏はブッシュ前大統領とはスポーツマン同士ケミストリーが合ったが、米共和党実力者とは敵対する。天敵は、共和党大統領候補だったジョン・マケイン上院議員だ。

 海軍パイロット出身で、安全保障問題のプロであるマケイン氏は、プーチン氏の危険性を察知していた。2001年の首脳会談でブッシュ氏がプーチン氏について、「彼の瞳の奥を覗いて、その魂に触れることができた」と奇妙な発言をした時、マケイン氏は反論した。「私も彼の瞳の奥を覗いて、3つの文字に触れることができた。K、G、Bだ」。

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執筆者プロフィール
名越健郎
名越健郎 1953年岡山県生れ。東京外国語大学ロシア語科卒業。時事通信社に入社、外信部、バンコク支局、モスクワ支局、ワシントン支局、外信部長を歴任。2011年、同社退社。現在、拓殖大学海外事情研究所教授。国際教養大学東アジア調査研究センター特任教授。著書に『クレムリン秘密文書は語る―闇の日ソ関係史』(中公新書)、『独裁者たちへ!!―ひと口レジスタンス459』(講談社)、『ジョークで読む国際政治』(新潮新書)、『独裁者プーチン』(文春新書)など。
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