仏大統領選展望・仰天シナリオの可能性

国末憲人
執筆者:国末憲人 2012年4月12日
カテゴリ: 政治 国際
エリア: ヨーロッパ

 フランス大統領選はこれまで、何度か仰天の結果を生み出してきた。1995年には、有力と見られたバラデュール首相が第1回投票で陥落した。2002年には右翼ルペン氏が決選に進出した。

 今回の大統領選でもやはり、びっくりするようなことが起きるだろうか。実は、大いに可能性がある。と言うとすでに驚きでなくなるのだが、そのシナリオを考えてみたい。

 フランス大統領選の第1回投票はすでに10日後に迫り、情勢も次第にはっきりしてきた。各種世論調査を大雑把に解釈すると、だいたい以下のような勢力図となっている。

 サルコジ氏 3割
 オランド氏 3割
 メランション氏 1.5割
 ルペン氏 1.5割
 バイルー氏 1割

 サルコジ氏はかつての劣勢をかなり挽回し、調査によってはオランド氏をわずかに上回るようになった。第1回投票でトップに立つ可能性も出てきている。

 各調査とも、上位二人とその次の二人との間にはかなりの差があると見ている。右派の現職サルコジ氏と社会党のオランド氏が決選に進むのは、動かしがたい状況だ。

 サルコジ、オランド両氏は、第1回投票で獲得する3割に、決選でどれだけ上乗せできるだろうか。大手機関Ipsosの調査によると、中道のバイルー氏の票はオランド氏に40%、サルコジ氏に32%向かう。まあ分け合うと言っていいだろう。メランション氏の支持層は、81%がオランド氏に流れ、サルコジ氏に行くのは3%しかない。これに対し、右翼ルペン氏の支持層は、サルコジ氏に行くのが49%にとどまり、オランド氏にも16%が流れる。

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執筆者プロフィール
国末憲人
国末憲人 1963年生れ。85年大阪大学卒。87年パリ第2大学新聞研究所を中退し朝日新聞社に入社。富山、徳島、大阪、広島勤務を経て2001-04年パリ支局員。外報部次長の後、07-10年パリ支局長を務め、GLOBE副編集長、本紙論説委員のあと、現在はGLOBE編集長。著書に『自爆テロリストの正体』(新潮新書)、『サルコジ―マーケティングで政治を変えた大統領―』(新潮選書)、『ポピュリズムに蝕まれるフランス』『イラク戦争の深淵』(いずれも草思社)、『ポピュリズム化する世界』(ダイヤモンド社)、共著書に『テロリストの軌跡―モハメド・アタを追う―』(草思社)などがある。
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