仏大統領選展望・国民戦線の不気味な足音

国末憲人
執筆者:国末憲人 2012年4月16日
エリア: ヨーロッパ

 今回のフランス大統領選の前半戦を彩るのは、何と言っても左翼メランション氏の躍進だ。当初は泡沫と見られていたものの、共産党やトロツキストだけでなく、社会党に飽き足らない左派の広い支持を受けて、現職サルコジ氏、社会党オランド氏に続く「第3の男」の地位を確立した。今後の政策論争にも大きな影響を与えるに違いない。


一方で、右翼「国民戦線」はいま一つぱっとしなかった。今回は、これまでのジャンマリー・ルペン氏から党を引き継いだ三女マリーヌ・ルペン氏が初めて臨む大統領選だ。15%前後の支持を得ているからまずまずと言えるのだが、ルペン父が決選に進出した2002年の時ほどの勢いはない。これだけ見ると、国民戦線の党首の代替わりは、今のところ可もなく不可もなく、といった感じである。


ところが、大手機関CSAが3月に実施した世論調査は、驚くべき結果を示している。18歳から24歳までの若者を対象とした支持率で、ルペン氏がオランド氏を抑えてトップに立ったというのである。


これを報じたルモンド紙によると、CSAが3月12日から28日にかけて実施した3回の調査を集計した結果だという。ルペン氏は26%の支持を得て、25%だったオランド氏をわずかに上回った。現職のサルコジ氏は17%、左翼メランション氏が16%、中道バイルー氏が11%と続いている。

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執筆者プロフィール
国末憲人 1963年岡山県生まれ。85年大阪大学卒業。87年パリ第2大学新聞研究所を中退し朝日新聞社に入社。パリ支局長、論説委員を経て、現在はGLOBE編集長、青山学院大学仏文科非常勤講師。著書に『自爆テロリストの正体』『サルコジ』『ミシュラン 三つ星と世界戦略』(いずれも新潮社)、『ポピュリズムに蝕まれるフランス』『イラク戦争の深淵』『巨大「実験国家」EUは生き残れるのか?』(いずれも草思社)、『ユネスコ「無形文化遺産」』(平凡社)、『ポピュリズム化する世界』(プレジデント社)など。
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