今回のフランス大統領選の前半戦を彩るのは、何と言っても左翼メランション氏の躍進だ。当初は泡沫と見られていたものの、共産党やトロツキストだけでなく、社会党に飽き足らない左派の広い支持を受けて、現職サルコジ氏、社会党オランド氏に続く「第3の男」の地位を確立した。今後の政策論争にも大きな影響を与えるに違いない。
一方で、右翼「国民戦線」はいま一つぱっとしなかった。今回は、これまでのジャンマリー・ルペン氏から党を引き継いだ三女マリーヌ・ルペン氏が初めて臨む大統領選だ。15%前後の支持を得ているからまずまずと言えるのだが、ルペン父が決選に進出した2002年の時ほどの勢いはない。これだけ見ると、国民戦線の党首の代替わりは、今のところ可もなく不可もなく、といった感じである。
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