「マイ・ネーム・イズ・カーン」~米空港でテロリスト扱いされたインドの大スター

 インド人なら誰でも知っているのはもちろん、英米でも抜群の知名度を誇る超人気ボリウッド(映画の都ボンベイ=ムンバイ=で制作されるインド映画)俳優シャー・ルーク・カーン(46)が4月12日、ニューヨークの空港到着時にテロリストの嫌疑をかけられ、米入管当局から1時間半にわたって身柄を拘束され、別室で厳しい尋問を受けていたことが分かった。インドやパキスタンなど南アジアのイスラム教徒に多い「カーン」姓だったことから入管システムのチェックリストに引っかかったようだが、彼が米国の空港で足止めされるのは09年8月に続いて2回目。いまさらながら米国はそのずさんなイスラム教徒観や、「友好国」インドの大スターに対する認識不足を露呈したのである。
このニュースに接して、インド映画ファンの多くは2010年に公開されたシャー・ルーク・カーンの主演映画「マイ・ネーム・イズ・カーン」を思い浮かべたに違いない。この映画は、米サンフランシスコに移住したインド人イスラム教徒が9.11テロによっていわれなき差別や偏見を一身に受け、愛息や妻、友人を失って米国中を放浪するという物語だ。主人公の目的はただ一つ、米国大統領に面会して「私の名前はカーン。テロリストではありません」というメッセージを伝えることだけだった――。

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執筆者プロフィール
山田剛 日本経済研究センター主任研究員。1963年生れ。日本経済新聞社入社後、国際部、商品部などを経て、97年にバーレーン支局長兼テヘラン支局長、2004年にニューデリー支局長。08年から現職。中東・イスラム世界やインド・南アジアの経済・政治を専門とする。著書に『知識ゼロからのインド経済入門』(幻冬舎)などがある。
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