石原都知事の尖閣諸島購入発言に対するタイ華字紙の反応

執筆者:樋泉克夫 2012年4月27日
エリア: アジア

 「尖閣諸島を都の予算で購入する」と石原都知事がアメリカで発言するや、日本の与野党やメディアは、「大英断」との喝采から「知事の独断は許さず」「反中暴挙」との批判まで、様々な反応を見せた。当然、北京はすぐさまに反発する。尖閣問題は日・中・台にかかわる領土問題ではあるが、「もう1つの中国」と位置づけられる海外の華人社会にとっても、両岸統一問題と同じように看過できない重大関心事でもある。尖閣問題を考えるうえで、時に彼らの世論の動向を見ておくことも必要だろう。

 そこで、タイの代表的華字紙である『世界日報』(4月24日)に掲載された「中日両国は共にアメリカの術中に嵌らぬことを明確に知るべきだ」と題された社説をみておきたい。

カテゴリ: 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
樋泉克夫(ひいずみかつお) 愛知県立大学名誉教授。1947年生れ。香港中文大学新亜研究所、中央大学大学院博士課程を経て、外務省専門調査員として在タイ日本大使館勤務(83―85年、88―92年)。98年から愛知県立大学教授を務め、2011年から2017年4月まで愛知大学教授。『「死体」が語る中国文化』(新潮選書)のほか、華僑・華人論、京劇史に関する著書・論文多数。
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