なぜ台湾に学ばないのか?

執筆者:坂巻資敏 2012年5月14日
カテゴリ: 国際 経済・ビジネス
エリア: 中国・台湾

 1980年代日本の企業は、日の出の勢いで欧米企業に肉薄し、肩を並べ追い越してきた。P.F.ドラッカーは、彼の著書「ドラッカーの遺言」のなかで「隆盛を極めた日本の歴史こそが、20世紀の世界史そのものであり、現在の世界経済を生み出したのは日本である」と述べている。
 1989年ベルリンの壁の崩壊から1991年ソ連が解体される間に、日本のバブル経済も崩壊し、失われた20年の長期停滞期に突入した。以来デフレ経済が定着し、近年の急激な円高の影響も加味して、日本経済は20年の長きにわたり停滞から脱出することができずにいる。
 その原因は、少子高齢化社会の到来、米国式グローバル・スタンダードの導入、ハードウエアー主体の産業構造からソフト、サービス、コンテンツ産業への転換の遅れ、国内の工場の空洞化、政治と官僚の無作為などなど、経済学者、経済評論家やマスコミが指摘してきた。そして、苦境から脱出する解決策を欧米の先進事例や米国流経営学に求めてきたが、目覚しい成果が上がっていない。

桁違いの成長

 今日、日本が苦境に立たされているのは、台湾、中国と韓国との競争、とりわけ台湾との競争に勝てないからであるが、日本の企業人や政治家並びに官僚は、なぜ真摯に台湾から学ぼうとしないのか、筆者は不思議でならない。

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執筆者プロフィール
坂巻資敏 1942年、長野県生れ。66年、名古屋大学工学部機械科卒業後、株式会社リコー入社。一貫して複写機・プリンターの新製品開発ならびに研究成果の新規事業育成に従事。ディスク・メディア・システムズ事業部長、マルチ・メディア・プリンタ事業部長、パーソナル・マルチメディア・カンパニー・デピュティプレジデント、常務執行役員、理事(常務待遇)などを歴任し、2007年9月、同社退社。2011年3月より現職。
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