次のフランス首相は誰か

国末憲人
執筆者:国末憲人 2012年5月10日
カテゴリ: 政治 国際
エリア: ヨーロッパ

 フランス語で、辞書ではあまり見かけないのに、5年に一度大統領選のたびに頻出する不思議な単語がある。「プルミエ・ミニストラブル」(premier-ministrable)。「プルミエ・ミニストル=首相」と「アブル=あり得る」をくっつけた言葉で、つまりは「首相を務めることができそうな」「首相に任命される可能性のある」といった程度の意味だ。


5月6日に社会党のオランド氏が大統領選決選投票で当選を果たし、15日にサルコジ大統領から政権を引き継ぐ。その際、新たな内閣も発表される予定だが、これを前に「プルミエ・ミニストラブル」論議が花盛りだ。フランスで、大統領が基本的に元首であるのに対し、実際に政策を進めるのは首相の役回りである。「誰が首相になるか」は、ある意味で「誰が大統領になるか」より重要かも知れない。


その状況をまとめてみた。社会党の人材を俯瞰することにもなるだろう。


▼シナリオ1 マルチーヌ・オブリ氏


首相候補としてまず挙げられるのはリール市長のオブリ氏だ。社会党の党首(第1書記)を兼ねており、形式だけ見れば、彼女が引き受けるのが順当である。世論調査でも、党内左派を中心に根強い支持を持つ。ジョスパン内閣で事実上の副首相にあたる雇用連帯相を務め、経験も豊富だ。

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執筆者プロフィール
国末憲人
国末憲人 1963年生れ。85年大阪大学卒。87年パリ第2大学新聞研究所を中退し朝日新聞社に入社。富山、徳島、大阪、広島勤務を経て2001-04年パリ支局員。外報部次長の後、07-10年パリ支局長を務め、GLOBE副編集長、本紙論説委員のあと、現在はGLOBE編集長。著書に『自爆テロリストの正体』(新潮新書)、『サルコジ―マーケティングで政治を変えた大統領―』(新潮選書)、『ポピュリズムに蝕まれるフランス』『イラク戦争の深淵』(いずれも草思社)、『ポピュリズム化する世界』(ダイヤモンド社)、共著書に『テロリストの軌跡―モハメド・アタを追う―』(草思社)などがある。
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