エジプト大統領選挙の読み方(1) 主要候補者と支持層

池内恵
執筆者:池内恵 2012年5月23日

 エジプトで大統領選挙の投票が始まろうとしている。

 第一回投票は5月23・24日で、開票結果は29日に発表され、そこで過半数を得た候補者がいなければ、上位2名による決選投票が6月16・17日に行われる。最終結果は6月21日に発表されることになっている。

http://www.elections.eg/

 筆者はこれに合わせてカイロに来ている。この稿を記しているのは現地時間で投票初日の前夜である。21・22日は投票日前の「静寂期間」として各候補者の公式の選挙活動が禁じられたため、街もメディアも落ち着いている。投票日に学校などが休みになるため、休日前夜の賑わいも伝わってくる。

 2月にも短い期間、カイロに滞在して資料集めをしながら状況を観察した(その際の情勢分析は下記のレポートを参照)。
http://www.ide.go.jp/Japanese/Publish/Download/Seisaku/120309.html

  やはり多少無理してでも現地には来てみるもので、少し見て回るだけで、この3か月で経済活動が動き出したのを肌で感じた。

 昨年の5月末にカイロ滞在を切り上げてから、9月に短い期間カイロに戻った際の3か月の間の変化、昨年9月から今年2月の訪問の間に感じた変化はいずれもそれほど大きくなく、様々な困難が噴出して政治も経済も一進一退という印象だった。しかし今回は明らかに様相が異なる。停滞していた工事現場がピッチを上げ、縦横に車が行き交い、店も賑わっている。外国からの観光客も一気に戻ってきた。外国人に付きまとう客引きの類も釣られて戻ってきた。

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執筆者プロフィール
池内恵
池内恵 東京大学先端科学技術研究センター准教授。1973年生れ。東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究専攻博士課程単位取得退学。日本貿易振興機構アジア経済研究所研究員、国際日本文化研究センター准教授を経て、2008年10月より現職。著書に『現代アラブの社会思想』(講談社現代新書、2002年大佛次郎論壇賞)、『イスラーム世界の論じ方』(中央公論新社、2009年サントリー学芸賞)、『イスラーム国の衝撃』(文春新書)、本誌連載をまとめた『中東 危機の震源を読む』などがある。個人ブログ「中東・イスラーム学の風姿花伝」(http://ikeuchisatoshi.com/)。
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