ポピュリスト? 改心者? セルビア新大統領の不透明感

国末憲人
執筆者:国末憲人 2012年5月24日
カテゴリ: 国際 文化・歴史
エリア: ヨーロッパ

 セルビアの首都ベオグラードを3年ぶりに訪れたのは、今年1月のことだった。核不拡散問題の取材でわずか2日間の滞在だったが、旧知のジャーナリストに街を少し案内してもらった。変化と言えば、ドナウ川の支流に新しい橋が架かった程度で、街中の古びたビルは相変わらず。期待されていたロシアからの投資も進んでないようだ。「何の進展もないね。失業者だらけで、生活は苦しくなるばかりだよ」とジャーナリストはぼやいた。

 そのセルビアの大統領選決選投票が今月20日にあり、大方の予想を裏切って、民族派「セルビア進歩党」のトミスラブ・ニコリッチ氏(60)が小差で当選を果たした。事前の世論調査では、欧州派の現職ボリス・タディッチ氏(54)が58%対42%で圧勝の様相だっただけに、大番狂わせだ。低投票率が生んだ事件だと考えられる。

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執筆者プロフィール
国末憲人 1963年岡山県生まれ。85年大阪大学卒業。87年パリ第2大学新聞研究所を中退し朝日新聞社に入社。パリ支局長、論説委員を経て、現在はGLOBE編集長、青山学院大学仏文科非常勤講師。著書に『自爆テロリストの正体』『サルコジ』『ミシュラン 三つ星と世界戦略』(いずれも新潮社)、『ポピュリズムに蝕まれるフランス』『イラク戦争の深淵』『巨大「実験国家」EUは生き残れるのか?』(いずれも草思社)、『ユネスコ「無形文化遺産」』(平凡社)、『ポピュリズム化する世界』(プレジデント社)など。
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