エジプト大統領選挙の読み方(2) ムスリム同胞団と旧政権派の決選へ──決断迫られるリベラル派

池内恵
執筆者:池内恵 2012年5月26日

 エジプト大統領選挙の第一回投票が終わった。各投票所で開票作業が行われ、各地域、各県の中心へと徐々に集まってくる。公式の発表はまだだが、判事による投票・開票所監視が徹底され、各候補の陣営やメディアに公開されているため、開票所や、各地の選挙管理委員会から記者が携帯電話で伝えてくる情報をメディアが集計して、荒い速報が飛び交っている。誤差はあるものの、全体像はほぼ明らかになっている。現地時間の26日から27日にはより詳細なデータが出てくるだろうし、29日までには公式発表があるだろうが、ここで速報的に記しておきたい。

 出遅れていたムスリム同胞団(自由公正党)のムルスィー候補が組織票を固めて1位になることがほぼ確実だが、これに並ぶ勢いでシャフィーク元首相が急伸している。さらに、左派でナセル主義のサッバーヒー候補が予想を超えて善戦し、初期段階から選挙戦をリードしてきた(支持層が一部重なる)元ムスリム同胞団のアブルフトゥーフ候補を凌いで3位につけるかもしれない。当初本命的候補だったムーサ元アラブ連盟事務局長は5番手に沈んだ。

(開票途中の段階だが、たとえば次のような数字が出ている)
http://english.ahram.org.eg/NewsContent/36/122/42869/Presidential-elections-/Presidential-elections-news/Mursi-st,-Shafiq-nd-in-Egypt-president-race-with-t.aspx

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執筆者プロフィール
池内恵
池内恵 東京大学先端科学技術研究センター准教授。1973年生れ。東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究専攻博士課程単位取得退学。日本貿易振興機構アジア経済研究所研究員、国際日本文化研究センター准教授を経て、2008年10月より現職。著書に『現代アラブの社会思想』(講談社現代新書、2002年大佛次郎論壇賞)、『イスラーム世界の論じ方』(中央公論新社、2009年サントリー学芸賞)、『イスラーム国の衝撃』(文春新書)、本誌連載をまとめた『中東 危機の震源を読む』などがある。個人ブログ「中東・イスラーム学の風姿花伝」(http://ikeuchisatoshi.com/)。
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