逆転、また逆転の民主統合党代表選

執筆者:平井久志 2012年5月28日
エリア: アジア

 4月11日の総選挙を終えて、与党のセヌリ党と野党第1党の民主統合党は12月の大統領選挙に向けた体制整備に向かっている。

 与党のセヌリ党では5月9日に19代国会議員選挙に当選した議員による選挙で、同党の院内代表に、大統領候補に確実視されている朴槿恵(パク・クネ)非常対策委員長の経済政策ブレーンである李漢久(イ・ハング)議員を選出した。政策委員会議長にも朴槿恵氏系の陳永(チン・ヨン)議員が選出された。

 さらに、5月15に開催された全党大会でも、朴槿恵委員長に近い黄祐呂(ファン・ウヨ)議員を党代表に選出した。黄代表と李恵勲(イ・ヘフン)議員、沈在哲(シム・ジェチョル)議員、鄭宇沢(チョン・ウテク)議員、兪奇濬(ユ・ギジュン)議員の5人が党の執行部を担う最高委員に選出されたが、沈議員を除く4最高委員はいずれも親朴派で、朴槿恵委員長は大統領選挙を目指し、自派による体制固めをほぼ終えたといえる。

カテゴリ: 政治
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執筆者プロフィール
平井久志(ひらいひさし) ジャーナリスト。1952年香川県生れ。75年早稲田大学法学部卒業、共同通信社に入社。外信部、ソウル支局長、北京特派員、編集委員兼論説委員などを経て2012年3月に定年退社。現在、共同通信客員論説委員。2002年、瀋陽事件報道で新聞協会賞受賞。同年、瀋陽事件や北朝鮮経済改革などの朝鮮問題報道でボーン・上田賞受賞。 著書に『ソウル打令―反日と嫌韓の谷間で―』『日韓子育て戦争―「虹」と「星」が架ける橋―』(共に徳間書店)、『コリア打令―あまりにダイナミックな韓国人の現住所―』(ビジネス社)、『なぜ北朝鮮は孤立するのか 金正日 破局へ向かう「先軍体制」』(新潮選書)『北朝鮮の指導体制と後継 金正日から金正恩へ』(岩波現代文庫)など。
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