破壊ウイルス「フレーム」の攻撃を受けるイラン

執筆者:畑中美樹 2012年5月31日
エリア: 中東

 イランの国家コンピューター緊急対応チーム(Maher)は5月29日、イラン政府高官たちのコンピューターが「フレーム」と呼ばれる高度な破壊ウイルスの侵入を受けたと述べ、同国のウラン遠心分離機の一部の機能を損ねた2010年のコンピューター・ウイルス「スタクスネット」に続き、イランがウイルスによるサイバー攻撃を受けていることを明らかにした。なお、Maherは、別途声明を発表し、自国製の防御システムを開発し駆除作業を5月上旬に終了したとしている。

 実はロシアのサイバー対策ソフトウェア製造会社であるカスペルスキー・ラブは、前日の5月28日、同社の治安専門家が高度に開発されたコンピューター・ウイルスがイランや中東諸国に侵入しているのを見つけたと発表していた。同社は、イランより報告のあったデータを抹消するウイルスの正体を突き止めるべく、中東の悪性ソフトウェアのデータ解析を国連の通信機関から依頼されていたが、その過程で「フレーム」を発見した。

 同社によると、「フレーム」のコードの規模は「スタクスネット」の20倍以上で、金融情報を盗む通常のウイルスの100倍以上。コンピューターの画面のショットや対象とするシステムの情報や、保存されているファイル、連絡先の情報、音声録音の会話などの情報 を盗み出すことができる。

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執筆者プロフィール
畑中美樹 1950年東京都生れ。慶應義塾大学経済学部卒業。富士銀行、中東経済研究所、国際経済研究所、国際開発センター エネルギー・環境室長などを経て現職。中東・北アフリカ地域で豊富な人的ネットワークを有する。著書に『石油地政学――中東とアメリカ』(中公新書ラクレ)、『オイルマネー』(講談社現代新書)、『中東湾岸ビジネス最新事情』(同友館)などがある。
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