北朝鮮「綱渡りの外交」と「50年ぶりの干ばつ」

 北朝鮮は4月の第4回党代表者会、最高人民会議第12期第5回会議で金正恩(キム・ジョンウン)氏への権力継承作業に一区切りを付け、金日成(キム・イルソン)主席の誕生100周年の祝賀行事で重要政治日程を終えた。4月13日の人工衛星(長距離弾道ミサイル)打ち上げ失敗は後継体制に冷水を浴びせたが、追加的な衛星発射や第3回核実験などは自制し、朝鮮半島情勢は李明博(イ・ミョンバク)政権や韓国メディアを口を極めて罵る「口撃」を除いては、一応の小康状態を保っている。
 危険を内包したこの小康状態の水面下には、どういう状況が横たわっているのだろうか。

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執筆者プロフィール
平井久志(ひらいひさし) ジャーナリスト。1952年香川県生れ。75年早稲田大学法学部卒業、共同通信社に入社。外信部、ソウル支局長、北京特派員、編集委員兼論説委員などを経て2012年3月に定年退社。現在、共同通信客員論説委員。2002年、瀋陽事件報道で新聞協会賞受賞。同年、瀋陽事件や北朝鮮経済改革などの朝鮮問題報道でボーン・上田賞受賞。 著書に『ソウル打令―反日と嫌韓の谷間で―』『日韓子育て戦争―「虹」と「星」が架ける橋―』(共に徳間書店)、『コリア打令―あまりにダイナミックな韓国人の現住所―』(ビジネス社)、『なぜ北朝鮮は孤立するのか 金正日 破局へ向かう「先軍体制」』(新潮選書)『北朝鮮の指導体制と後継 金正日から金正恩へ』(岩波現代文庫)など。
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