オバマ援軍「ビル・クリントン」の痛し痒し

執筆者:足立正彦 2012年6月18日
エリア: 北米
6月4日、資金集めパーティーで支持者に手を振る現・元米大統領 (C)EPA=時事
6月4日、資金集めパーティーで支持者に手を振る現・元米大統領 (C)EPA=時事

 ビル・クリントン元大統領がホワイトハウスを去ってからすでに11年以上が経った。だが、民主党支持者の間では未だに絶大な人気があり、自らもメディアから注目され続けることを好んでいる。そのため、クリントン元大統領については「ロックスター」という表現が頻繁に使われる。  そのクリントン元大統領が現職のバラク・オバマ大統領の再選キャンペーンを積極的に支援している。今回の大統領選挙キャンペーンでは存在が目立たないジョージ・W・ブッシュ前大統領とは全く対照的である。今月4日にニューヨーク市内で開かれた、ウォール街の投資家やセレブなどが集まった3つのイベントにクリントン元大統領とオバマ大統領の2人は姿を現し、一晩で350万ドル以上の政治資金を集めた。  だが、クリントン元大統領は心の赴くままに自由な発言や失言をする政治家としても知られている。オバマ陣営とは全く方向性の異なる発言をし、周囲を困惑させる出来事が最近相次いで起こった。

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執筆者プロフィール
足立正彦(あだちまさひこ) 住友商事グローバルリサーチ株式会社シニアアナリスト。1965年生まれ。90年、慶應義塾大学法学部卒業後、ハイテク・メーカーで日米経済摩擦案件にかかわる。2000年7月から4年間、米ワシントンDCで米国政治、日米通商問題、米議会動向、日米関係全般を調査・分析。06年4月より、住友商事グローバルリサーチにて、シニアアナリストとして米国大統領選挙、米国内政、日米通商関係、米国の対中東政策などを担当し、17年10月から米州住友商事ワシントン事務所に勤務、20年4月に帰国して現職。
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