逆風の中、再び動き出すインドの原発建設計画

執筆者:山田剛 2012年6月17日

 福島第一原発事故に伴う反対運動などでほぼ停滞していたインドの原子力発電所建設計画が、ようやく再び動き出す気配を見せている。2008年に歴史的な米印原子力協力協定の調印にこぎつけたインド政府は6月、同協定発効を受けた初の原発建設計画について米国との間で予備的覚書に調印。フランス政府とも原発建設への協力について年後半にも正式合意する見通しとなった。一方、着工から11年が過ぎていまだ建設中であるインド最大級のクダンクラム原発も、間もなく核燃料の装填が始まる見通し。まだまだ予断を許さないとはいえ、12年8月の商業運転開始がようやく視野に入ってきた。

 東芝傘下の米ウエスチングハウス・エレクトリック社は6月13日、印原子力発電公社(NPCIL)との間で、西部グジャラート州ミティビルディにおける原発建設計画(当初構想では100万キロワット×6基)について、「初期段階の作業に関する、予備的な合意文書(EWA)」に調印した。同日の第3回印米対話に出席したクリントン米国務長官は、クリシュナ印外相との共同記者会見で「(合意は)2008年に調印した米印原子力協力協定の中身を実現するための重要なステップ」と歓迎した。

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執筆者プロフィール
山田剛 日本経済研究センター主任研究員。1963年生れ。日本経済新聞社入社後、国際部、商品部などを経て、97年にバーレーン支局長兼テヘラン支局長、2004年にニューデリー支局長。08年から現職。中東・イスラム世界やインド・南アジアの経済・政治を専門とする。著書に『知識ゼロからのインド経済入門』(幻冬舎)などがある。
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