エジプトでは「投票より開票が重要」

池内恵
執筆者:池内恵 2012年6月21日

 6月21日に予定されていたエジプトの大統領選挙結果の発表が遅れ、現地の週明けである23日(土)から24日(日)にずれ込むことが確実となった。

http://english.ahram.org.eg/NewsContent/36/122/45737/Presidential-elections-/Presidential-elections-news/Electoral-commission-delays-runoff-results-to-Satu.aspx
http://www.almasryalyoum.com/node/935411

 両陣営が提起する400を超える異議申し立ての処理に時間がかかっていることを中央選挙管理委員会は理由に挙げている。

http://english.ahram.org.eg/News/45691.aspx

 しかしこれはもともと中央選挙管理委員会を含む司法府のまいた種でもある。選挙結果や前提すら覆すような司法判断がなされかねない以上、両候補が異議申し立てを乱発しておくのは当然の戦術となり、法廷闘争が極まって収拾がつかなくなるのも当然である。

 大量の偽投票用紙が政府印刷局で印刷され、あらかじめ特定の候補者に印がつけられて混入された、といったまことしやかな情報が飛び交う。こういった情報はムスリム同胞団に責を帰すものが多い。議会選挙や大統領選挙で見せつけたムスリム同胞団の組織力への恐れが強いようだ。

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執筆者プロフィール
池内恵
池内恵 東京大学先端科学技術研究センター准教授。1973年生れ。東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究専攻博士課程単位取得退学。日本貿易振興機構アジア経済研究所研究員、国際日本文化研究センター准教授を経て、2008年10月より現職。著書に『現代アラブの社会思想』(講談社現代新書、2002年大佛次郎論壇賞)、『イスラーム世界の論じ方』(中央公論新社、2009年サントリー学芸賞)、『イスラーム国の衝撃』(文春新書)、本誌連載をまとめた『中東 危機の震源を読む』などがある。個人ブログ「中東・イスラーム学の風姿花伝」(http://ikeuchisatoshi.com/)。
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