インフレ圧力に対応するための高金利や歴史的な通貨ルピー安、財政・経常赤字に加え外資導入政策の遅れなどでインド経済の減速が鮮明となる中、プラナブ・ムカジー前財務相の大統領選立候補に伴い空席となった同ポストに、マンモハン・シン首相が自ら就任した。シン首相にとって財務相兼任は2008年以来2回目だが、何と言っても彼はあの伝説となった1991年経済改革を主導し、今日のインドの高成長を演出した立役者。与党国民会議派の重鎮ながらムカジー氏が財務相としてはやや地味だったこともあり、多くが棚上げされたままとなっている改革の再加速に、内外からにわかに期待が高まっている。
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