共和党の保守化を懸念するブッシュ元フロリダ州知事

足立正彦
執筆者:足立正彦 2012年6月29日
カテゴリ: 国際
エリア: 北米

 ジェブ・ブッシュ元フロリダ州知事の最近の一連の発言が共和党内で波紋を広げている。ブッシュ氏は、ニューヨーク・マンハッタンで今月上旬に行なわれた記者や編集者らメディア関係者との討論イベントで、現在のような「超保守化(“ultra-conservative”)」した共和党でロナルド・レーガンや父親のジョージ・H.W.ブッシュが大統領候補の指名を獲得するのは厳しかったであろうと発言したのである。また、最近、ブッシュ氏は共和党の不法移民に対する厳しい姿勢にも異議を唱えており、共和党は「反移民政党」にならずに、不法移民問題に対しても現実的アプローチを取るよう訴えている。

 ブッシュ氏は現在の共和党について、自らと対立する意見を認めようとはせず、民主党との共通基盤も見出すことを許さない強固な政策的一貫性を求めるようになっているとの認識を示している。そのうえで、大統領在任中に超党派の支持に基づき多くの課題に取り組み、妥協点や共通基盤を見出そうとしたレーガンやGHWブッシュは今の共和党では厳しい状況に直面し、批判を受けたであろうと述べ、最近の保守化が進行する共和党に批判的な見解を示した。このようなブッシュ氏の発言に対し、減税推進を掲げて活動している全米税制改革協議会(ATR)のグローヴァー・ノークイスト代表らは直ちに反論した。そのため、翌日、ブッシュ元州知事は自らのツイートに、現在の米国の政治システムは「超党派的("hyperpartisan")」であり、2大政党ともに責任があるとの書き込みを行なって、共和党、民主党それぞれを批判する形で見解を修正している。

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執筆者プロフィール
足立正彦
足立正彦 住友商事グローバルリサーチ シニアアナリスト。1965年生れ。90年、慶應義塾大学法学部卒業後、ハイテク・メーカーで日米経済摩擦案件にかかわる。2000年7月から4年間、米ワシントンDCで米国政治、日米通商問題、米議会動向、日米関係全般を調査・分析。06年4月より現職。米国大統領選挙、米国内政、日米通商関係、米国の対中東政策などを担当する。
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