ドイツのメルケル首相は欧州危機への対応をめぐり、オランド仏大統領と折り合いをつけ、6月末の欧州連合(EU)首脳会議ではまず「互角の分かれ」とした。7月8日にフランス東部ランスで開催された独仏和解記念50周年式典でメルケルはオランドと、抱擁とキスを交わしてみせ、2人は「フランソワ」「アンゲラ」とファーストネームで呼び合った。オランド政権発足後、ぎごちなかった独仏両首脳の関係は立ち上がりの固さがとれ、親密さを演じられるまでにほぐれてきた印象である。
欧州危機対策の拡充を迫る仏伊スペインの攻勢の中、メルケルは欧州銀行への直接資本注入で譲歩したことが何かと批判されているが、ドイツ国民の大半は「メルケルはよくやっている」という評価だ。ドイツ公共テレビの最新の世論調査(7月5日発表)では、メルケルの支持率は66%と、前月から8ポイント上昇、過去3年間で最も高い数字を記録した。与党・キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)に対しても、欧州危機への対応を信頼できると答えた割合は42%に達し、最大野党の中道左派・社会民主党(SPD)を信頼できるとした17%に大きく水をあけている。
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