クオ・ヴァディス きみはどこへいくのか?

古都ダマスクスの記憶

執筆者:徳岡孝夫 2012年7月12日
エリア: 中東 アジア

 生まれつき性根がひねくれているせいか、私は他人の失敗に立ち会うのが大好きである。  何かのイベントの開会式があって、何人かの偉い人が会場の入り口で長々と演説をする。やっと終わって、「それでは××先生に会場のテープカットをしていただきます」とアナウンスがある。  白い手袋をした綺麗な女の人が、鋏を載せたお盆を捧げ持って、しずしずと進み出る。  私はあの瞬間、司会者がテープをパイプと言い間違えないか、何回手に汗握って待ったことだろう。    思うに先生は政治家で、政治家には政治資金という得体の知れないカネがある。金銭的余裕は、男の浮気心を刺激する。小沢先生に倣って、隠し子の1人や2人いても不思議ではない。

カテゴリ: 政治 カルチャー
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執筆者プロフィール
徳岡孝夫(とくおかたかお) 1930年大阪府生れ。京都大学文学部卒。毎日新聞社に入り、大阪本社社会部、サンデー毎日、英文毎日記者を務める。ベトナム戦争中には東南アジア特派員。1985年、学芸部編集委員を最後に退社、フリーに。主著に『五衰の人―三島由紀夫私記―』(第10回新潮学芸賞受賞)、『妻の肖像』『「民主主義」を疑え!』。訳書に、A・トフラー『第三の波』、D・キーン『日本文学史』など。86年に菊池寛賞受賞。
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