「激戦州」の雇用状況と大統領選への影響

執筆者:足立正彦 2012年7月17日
エリア: 北米

 米労働省労働統計局(BLS)は7月6日に最新の雇用統計を公表した。6月の非農業部門雇用者数は市場(マーケット)の予測を大きく下回り、前月比わずか8万人増にとどまった。6月の失業率についても前月と同水準の8.2%となり、高止まり状態のままである。先月公表された5月の雇用統計でも非農業部門雇用者数は前月比6万9000人増にとどまっていた。その結果、今年第2四半期(4-6月期)の合計の非農業部門雇用者数は22万5000人となり、リーマンショック後に労働市場が回復し始めた2010年以降では雇用の伸びが最も低水準の四半期となった。昨年12月から今年2月までの3カ月間は毎月20万人を上回っていただけに、雇用状況の改善ペースが急速に鈍化していることが鮮明になってきている。

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執筆者プロフィール
足立正彦(あだちまさひこ) 住友商事グローバルリサーチ株式会社シニアアナリスト。1965年生まれ。90年、慶應義塾大学法学部卒業後、ハイテク・メーカーで日米経済摩擦案件にかかわる。2000年7月から4年間、米ワシントンDCで米国政治、日米通商問題、米議会動向、日米関係全般を調査・分析。06年4月より、住友商事グローバルリサーチにて、シニアアナリストとして米国大統領選挙、米国内政、日米通商関係、米国の対中東政策などを担当し、17年10月から米州住友商事ワシントン事務所に勤務、20年4月に帰国して現職。
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