野田首相の「尖閣諸島国有化」方針に噛みついたタイ華字紙

樋泉克夫
執筆者:樋泉克夫 2012年7月20日
カテゴリ: 国際 政治 IT・メディア

 まさか日中の因縁浅からぬ盧溝橋事件勃発の7月7日を意図的に選んだわけでもないだろうが、野田首相は尖閣諸島の国有化を打ち出した。早速というべきか、案の定というべきか、タイの代表的華字紙の『世界日報』(7月11日)が社説で、野田政権に対し断固たる処置を採れと、北京政府を嗾(けしか)ける。題して「北京よ、野田による釣島の『国有化』を阻止せよ」である。なお「釣島」「釣魚台」「魚釣島」「南海問題」「保釣」などの表記は原文のまま。



――思いもよらないことだが、中日全面戦争を引き起こした盧溝橋事件75周年だというのに、いままさに、もう1つの中日戦争の暗い陰が迫ってきている。今回のホット・ポイントはあの領土をめぐる紛糾甚だしい釣魚台の島々だ。だが挑発したのは日本である。日本最大の新聞である「朝日新聞」(7月7日)がトップで報じたところに拠れば、日本民主党の野田政権は関係者を東京都知事の石原慎太郎の許に差し向け、日本は今年年末までに釣魚台島嶼の魚釣島、南小島、北小島の3島を国有化すると告げると同時に、釣魚台島嶼の現在の「島主」といわれる栗原家と協議を続けているとのことだ。これより以前、日本沖縄県石垣市の2人の市議が北小島に上陸し領有を宣言している。

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執筆者プロフィール
樋泉克夫
樋泉克夫 愛知大学教授。1947年生れ。香港中文大学新亜研究所、中央大学大学院博士課程を経て、外務省専門調査員として在タイ日本大使館勤務(83―85年、88―92年)。98年から愛知県立大学教授を務め、2011年より現職。『「死体」が語る中国文化』(新潮選書)のほか、華僑・華人論、京劇史に関する著書・論文多数。
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