8月12日、エジプトのムルスィー大統領が大きな動きに出た。6月末まで暫定統治を行い、ムルスィー大統領就任以後も留任してきた軍最高幹部を実質上更迭したのである。
まったく予想されていなかった動きだが、この日の決定で、国防大臣・軍最高評議会(SCAF)議長のタンターウィー陸軍元帥と、アナーン参謀総長を即日で退役させた。そして、6月17日に出された憲法宣言追加条項を廃止すると決めた。さらに、ムバーラク政権に批判的だった著名な判事を副大統領に任命し、ムバーラク政権による政治任命でバランスを失った司法への梃入れにも着手している。
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