「副大統領候補指名」でロムニーが背負ったリスク

足立正彦
執筆者:足立正彦 2012年8月13日
カテゴリ: 国際
エリア: 北米

 ロムニー選対本部は、8月11日にヴァージニア州ノーフォークでミット・ロムニー前マサチューセッツ州知事が共和党副大統領候補を指名すると発表した。その後、米国主要メディアはポール・ライアン下院議員(ウィスコンシン州第1区)が共和党副大統領候補に指名されると一斉に報道し、ロムニーとライアンはともにノーフォークに記念艦として保存されている戦艦ウィスコンシンの艦上に姿を現して支持者を前にホワイトハウス奪還を誓った。共和党副大統領候補が遂に明らかになり、大統領選挙本選挙キャンペーンは今後本格化していくが、本稿では、ロムニーがライアンを共和党副大統領候補に指名したことについての筆者個人の印象を述べておきたい。

 まず興味深く感じた点は、共和党副大統領候補指名のタイミングであった。前回の2008年大統領選挙の場合、共和党大統領候補の指名受諾を控えていたジョン・マケイン上院議員(アリゾナ州)は、ミネソタ州セントポールでの共和党全国党大会開催のわずか3日前にアラスカ州のサラ・ペイリン知事(当時)を副大統領候補に指名している。ところが、今回の場合、今月27日からフロリダ州タンパで開催される共和党全国党大会の2週間以上も前にロムニーはライアンを副大統領候補に指名したのである。ロンドン五輪開催中に副大統領候補を発表することについて、共和党内の一部には主要メディアの報道が大統領選挙キャンペーン関連に十分割かれないとの理由から慎重論があった。だが、他方では、ロムニーの選挙キャンペーンに勢いをつけるためにも、全国党大会直前まで副大統領候補の指名発表を先延ばしせずに、ロムニーはできるだけ早いタイミングで前倒しして発表すべきとの議論も共和党内に根強くあった。

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執筆者プロフィール
足立正彦
足立正彦 住友商事グローバルリサーチ シニアアナリスト。1965年生れ。90年、慶應義塾大学法学部卒業後、ハイテク・メーカーで日米経済摩擦案件にかかわる。2000年7月から4年間、米ワシントンDCで米国政治、日米通商問題、米議会動向、日米関係全般を調査・分析。06年4月より現職。米国大統領選挙、米国内政、日米通商関係、米国の対中東政策などを担当する。
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