張成沢氏を「ナンバー2」と認めた中国

平井久志
執筆者:平井久志 2012年8月20日
カテゴリ: 国際 政治
エリア: 朝鮮半島

 8月17日に掲載した「北朝鮮の電撃的な権力再編(下)存在感を増す金慶喜党書記」では、北朝鮮の張成沢党行政部長(国防委副委員長、党政治局員)の訪中について経済特区に関する第3回会議に出席して、8月14日に吉林省の長春に行ったことまでを報告した。張部長はその後の8月17日に北京へ戻り、胡錦濤国家主席、温家宝首相とそれぞれ会談し、同18日に北朝鮮に帰国した。

 この中朝の「準首脳会談」ともいうべき会談内容について追加的に報告しておきたい。

 張部長は14日夕、吉林省の長春に移動し、孫政才党書記や王儒林省長ら吉林省の幹部と会談した。さらに15日に遼寧省の瀋陽に行き、王珉同省党書記と会って黄金坪・威化島経済特区の開発について協議を行なった。16日も遼寧省の党や経済関係者と会い、同日午後の飛行機で北京へ戻った。

 この日、北京では王家瑞中国共産党対外連絡部長と会談した。王家瑞部長は7月30日から8月3日まで北朝鮮を訪問し、金正恩第1書記と会談している。張部長が、胡錦濤主席や温家宝首相との会談前に王部長と会談したことは、中朝の関係が党対党を基本原則としていることを示し、中国共産党の対外的窓口の王部長と事前協議を行なったともいえる。また、金正恩第1書記の訪中についてもここで協議された可能性があろう。

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執筆者プロフィール
平井久志
平井久志 ジャーナリスト。1952年香川県生れ。75年早稲田大学法学部卒業、共同通信社に入社。外信部、ソウル支局長、北京特派員、編集委員兼論説委員などを経て2012年3月に定年退社。現在、共同通信客員論説委員。2002年、瀋陽事件報道で新聞協会賞受賞。同年、瀋陽事件や北朝鮮経済改革などの朝鮮問題報道でボーン・上田賞受賞。 著書に『ソウル打令―反日と嫌韓の谷間で―』『日韓子育て戦争―「虹」と「星」が架ける橋―』(共に徳間書店)、『コリア打令―あまりにダイナミックな韓国人の現住所―』(ビジネス社)、『なぜ北朝鮮は孤立するのか 金正日 破局へ向かう「先軍体制」』(新潮選書)『北朝鮮の指導体制と後継 金正日から金正恩へ』(岩波現代文庫)など。
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