「レーガン賞賛」で浮かび上がる「ブッシュ前政権の失政」

足立正彦
執筆者:足立正彦 2012年9月7日
カテゴリ: 国際
エリア: 北米

 最近の大統領選挙キャンペーンで共和党の正副大統領候補の2人が繰り返し訴えている常套句がある。それは1980年の大統領選挙本選挙キャンペーンで現職大統領のジミー・カーターの再選を阻止するため、共和党大統領候補であったロナルド・レーガン元カリフォルニア州知事が繰り返し使っていた、「あなたの暮らし向きは4年前よりも良くなりましたか(Are you better off than you were four years ago?)」という決まり文句である。米国政治を長年見守ってきた専門家らにとっては聞き慣れた表現である。1980年以降も、再選を目指す現職大統領が、「経済・雇用問題」を主要争点として攻撃される際に使われることが多く、大統領選挙を現職大統領の信任投票(リファレンダム)に持ち込もうとする狙いがある。

 共和党全国党大会最終日の8月30日に行なわれた共和党大統領候補指名受諾演説でミット・ロムニー前マサチューセッツ州知事は、32年前の大統領選挙キャンペーンでレーガン元大統領が有権者に対し繰り返し訴えたまさにこの表現を使った。そして、民主党全国党大会が開催される直前に、同大会が開催されるノースカロライナ州入りして遊説した共和党副大統領候補のポール・ライアンも、「あなたの暮らし向きは4年前よりも良くなりましたか」と有権者に繰り返し訴えている。「激戦州」を中心に精力的に遊説しているロムニー、ライアンの2人は今後もこの常套句を引き続き有権者に訴えることになるであろう。

この記事は役に立ちましたか?
フォーサイト最新記事のお知らせを受け取れます。
この記事をSNSにシェアする
執筆者プロフィール
足立正彦
足立正彦 住友商事グローバルリサーチ シニアアナリスト。1965年生れ。90年、慶應義塾大学法学部卒業後、ハイテク・メーカーで日米経済摩擦案件にかかわる。2000年7月から4年間、米ワシントンDCで米国政治、日米通商問題、米議会動向、日米関係全般を調査・分析。06年4月より現職。米国大統領選挙、米国内政、日米通商関係、米国の対中東政策などを担当する。
comment:2
icon
  • 記事の閲覧、コメントの投稿には、会員登録が必要になります。
フォーサイトのお申し込み
注目記事ランキング
  • 24時間
  • 1週間
  • f
  • 新着
  • 高評価
  • コメント数順