尖閣への漁船団襲来は1978年の再演か

野嶋剛
執筆者:野嶋剛 2012年9月19日

 中国が尖閣周辺海域に大漁船団を派遣するというニュースが流れ、多くの日本人の脳裏には「日中衝突」への恐怖感が浮かんだのではないだろうか。ただ、尖閣諸島に中国から大量の漁船団が送り込まれる事態は初めてではなく、1978年に一度起きたことがあった。

 下の1978年4月13日付の朝日新聞朝刊一面にはこんな見出しで報じられている。

「尖閣列島に中国漁船群、領海侵犯で退去求める」

 中国が尖閣周辺海域に大漁船団を派遣するというニュースが流れ、多くの日本人の脳裏には「日中衝突」への恐怖感が浮かんだのではないだろうか。ただ、尖閣諸島に中国から大量の漁船団が送り込まれる事態は初めてではなく、1978年に一度起きたことがあった。

 下の1978年4月13日付の朝日新聞朝刊一面にはこんな見出しで報じられている。

「尖閣列島に中国漁船群、領海侵犯で退去求める」

 記事によれば、4月12日、尖閣諸島の日本領海12カイリ内に中国漁船多数が入り、日本側の再三の退去要求を無視した。海保は中国旗を掲げた108隻の漁船を確認し、うち16隻が領海内に侵入したという。海保の巡視船「やえやま」が退去を呼びかけたところ、漁船は逆に「やえやま」を取り囲むような態勢を取り、「ここは中国領である。我々は航行と操業の自由を持っている」などとチョークで書いた板切れを掲げて領海内に居座ったという。にらみ合いの末、漁船は数日で尖閣海域から退去していった。

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執筆者プロフィール
野嶋剛
野嶋剛 1968年生れ。ジャーナリスト。上智大学新聞学科卒。大学在学中に香港中文大学に留学。92年朝日新聞社入社後、佐賀支局、中国・アモイ大学留学、西部社会部を経て、シンガポール支局長や台北支局長として中国や台湾、アジア関連の報道に携わる。2016年4月からフリーに。著書に「イラク戦争従軍記」(朝日新聞社)、「ふたつの故宮博物院」(新潮選書)、「謎の名画・清明上河図」(勉誠出版)、「銀輪の巨人ジャイアント」(東洋経済新報社)、「ラスト・バタリオン 蒋介石と日本軍人たち」(講談社)、「認識・TAIWAN・電影 映画で知る台湾」(明石書店)、訳書に「チャイニーズ・ライフ」(明石書店)。
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