南アフリカのプラチナ鉱山で起こった労働争議は45人の死者を出し、ズマ大統領が現場に赴くまでの大ごとになって、先日ようやく解決をみた。ただし、その余波は現在金鉱山に及んでいる。南アフリカでは激しい労働争議は年中行事というに等しく、死者が出ることも珍しくはないのだが、今回は少々事情が異なる。40人をこえる死者が出たのは民主化後初めてであるが、それ以上に、南アフリカの政治体制や統治機構に与えた衝撃が大きい。昨日ムーディーズ社は南アフリカの格付けを一段落としてBaa1とした。
南アフリカの与党であるアフリカ民族会議(ANC)は、正確にいうと、もともとのANCと南アフリカ共産党、それに労働組合組織があわさったANC Allaianceである。1994年に行われたこの国最初の民主選挙に際し、統一会派として登録されたものだ。
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