建設現場から消えた大学生――北朝鮮「教育改革」の本気度

執筆者:平井久志 2012年10月23日
タグ: 金正恩 北朝鮮
エリア: アジア

 北朝鮮で9月25日に開かれた最高人民会議で生徒たちを「無秩序に動員するな」という内容を含む法律が制定されたことは本サイトの「『経済改革』を前に身震いする金正恩後継体制(上)」で指摘した。この法律は北朝鮮の新たな義務教育年齢5歳から17歳の生徒を対象にしているとみられるが、最近の北朝鮮の報道を見ていると、大学生に対する「動員」にもブレーキが掛かっているとみられる。

 北朝鮮では10月10日は朝鮮労働党の創建記念日である。これに関連し、北朝鮮ではさまざまな工事が行なわれた。

 朝鮮中央通信は10月6日に崔龍海(チェ・リョンヘ)軍総政治局長が、人民軍が受け持っている平壌市の多くの重要建設状況を視察し、現地了解したと報じた。

カテゴリ: 政治
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執筆者プロフィール
平井久志(ひらいひさし) ジャーナリスト。1952年香川県生れ。75年早稲田大学法学部卒業、共同通信社に入社。外信部、ソウル支局長、北京特派員、編集委員兼論説委員などを経て2012年3月に定年退社。現在、共同通信客員論説委員。2002年、瀋陽事件報道で新聞協会賞受賞。同年、瀋陽事件や北朝鮮経済改革などの朝鮮問題報道でボーン・上田賞受賞。 著書に『ソウル打令―反日と嫌韓の谷間で―』『日韓子育て戦争―「虹」と「星」が架ける橋―』(共に徳間書店)、『コリア打令―あまりにダイナミックな韓国人の現住所―』(ビジネス社)、『なぜ北朝鮮は孤立するのか 金正日 破局へ向かう「先軍体制」』(新潮選書)『北朝鮮の指導体制と後継 金正日から金正恩へ』(岩波現代文庫)など。
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