ロシアのプーチン大統領が11月6日、不動産汚職疑惑に絡んだセルジュコフ国防相を唐突に解任したことは、従来のプーチン人事からすれば異例の展開となった。軍や官僚の汚職腐敗、メディアへの情報リーク、権力闘争など、プーチン大統領の政権統率力が弱まりつつある印象を受ける。
セルジュコフ国防相はサンクトペテルブルクで家具売買をしていたビジネスマン出身で、軍歴がない。大統領に近いズブコフ前第一副首相の女婿。2007年に国防相に抜擢された後、プーチン路線に沿って、兵力削減や機動的な軍への再編に大ナタを振るい、国防予算大幅増を背景に、軍改革は比較的スムースに進んでいた。プーチン大統領が、成果を挙げていた身内のサンクト派幹部を更迭したのは初めてだ。同大統領は閣僚をめったに解任せず、いったん任命すると、かなりの裁量権を与えてきた。
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