開発をめぐる議論にはいくつも、まったく異質なものが含まれている。そのひとつが、ナショナリズムに依拠しているものとインターナショナリズムに依拠しているものの混在である。
援助国側の「人類の貧困を救え」という議論は国際開発理念に基づいているからインターナショナリズムであり、一方開発途上国のなかでは、ほかの途上国よりも先んじて豊かになりたいというナショナリズムの議論になる。韓国をみるとよくわかるが、開発に成功した国の開発はナショナリズムを原動力にしていたといえる。これが、開発独裁とか「開発主義」とかいわれてきたものだ。
この続きは会員登録をすると読むことができます。
「フォーサイト」は、月額800円のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。
フォーサイト会員の方はここからログイン