「ギャラップ社はなぜ間違ったのか?」オバマ陣営が問題視

執筆者:足立正彦 2012年11月26日
エリア: 北米

 バラク・オバマ大統領の再選から3週間が経過しようとしている。現在、米国内では各方面から大統領選挙結果を振り返りつつ様々な議論が行なわれている。今回の大統領選挙キャンペーン中に世論調査会社が実施、公表した世論調査の精度に関する議論もその1つである。

 オバマ再選キャンペーンをイリノイ州シカゴに設置された選対本部から指揮したジム・メッシーナ選対本部長は今月20日、今回の大統領選挙キャンペーン中に一部の世論調査会社・機関が実施、公表していた世論調査について精度を欠いていたとの批判を改めて行なった。とりわけ、メッシーナ選対本部長が槍玉に挙げたのは世論調査の先駆け的存在である大手世論調査会社ギャラップ社であり、選挙キャンペーン中にギャラップ社が公表していた世論調査は繰り返し誤り続けていたとして、同社の世論調査に対し厳しい見方を示した。こうした見解はメッシーナ選対本部長に限らず、今回の選挙キャンペーン中にオバマ選対本部の他の幹部らからも繰り返し表明されていた。メッシーナ選対本部は過去6回の大統領選挙でギャラップ社が正確な世論調査を公表していたのは僅か1回だけであったと発言しており、今回の大統領選挙キャンペーン中にギャラップ社が公表していた世論調査にオバマ選対本部の責任者として相当な苛立ちを抱えていたことを窺わせる。

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執筆者プロフィール
足立正彦(あだちまさひこ) 住友商事グローバルリサーチ株式会社シニアアナリスト。1965年生まれ。90年、慶應義塾大学法学部卒業後、ハイテク・メーカーで日米経済摩擦案件にかかわる。2000年7月から4年間、米ワシントンDCで米国政治、日米通商問題、米議会動向、日米関係全般を調査・分析。06年4月より、住友商事グローバルリサーチにて、シニアアナリストとして米国大統領選挙、米国内政、日米通商関係、米国の対中東政策などを担当し、17年10月から米州住友商事ワシントン事務所に勤務、20年4月に帰国して現職。
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