スケールや安定度の違いがあるとはいえ、南アジアの二大国であるインドとパキスタンの経済協力に非常に大きな潜在力があることは、両国だけでなく世界のビジネス関係者の一致するところだ。ブラジルとアルゼンチンの関係にもたとえられる印パ間では、セメントや紅茶、石油製品から食料品まで、片方の需給がひっ迫した時のショートカバー輸出入による相互補完はもちろん、製造業の現場では部品輸入→相手国での組み立てといった分業体制も選択肢として検討されている。昨年来、印パ両国は貿易や投資の拡大を目指して相互のハードルを下げ始めたが、こうした経済協力の機運に最近の政治動向が微妙な影を落としている。
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