政治をゼロから考える
政治をゼロから考える(11)

政治家はなぜ選挙で選ばれるのか

宇野重規
執筆者:宇野重規 2012年12月10日
カテゴリ: 政治
エリア: 日本

質問 「なぜ政治家は選挙によって選ばれなければならないのですか?」

 

 いよいよ衆院選が公示されました。日本の今後を決める重要な選挙になりそうです。

 ところで、これまで選挙というと、散々な評判でした。たとえば、こんな声をよく耳にします。何であんなことをしないといけないのか。選挙戦を見てみればいい。宣伝カーはボリュームをあげて、ともかく候補者の名前を連呼するだけ。政策の話なんて、ほとんど出てきやしない。その上、投票日までは土下座せんばかりだった候補者も、当選した翌日からは選挙民のことなんてすっかり忘れてしまう。あんな選挙のために、なんでこれほどの時間とお金をかけるのか……等々です。どれももっともで、たしかに選挙というのは、壮大な無駄かもしれないと思うときがあります。

 

「コンドルセのパラドックス」

 

「民主主義とは頭をかち割る代わりに、頭を数えることだ」という言葉があります。意見や利害が対立した場合に、力ずくの勝負で決着をつけるのではなく、投票による人数の大小で決定するというのは、たしかに一歩前進なのかもしれません(今日も世界の各地で内戦が起きていることを忘れてはいけません)。議論が錯綜した場合にとりあえず多数決で決めるというのは、そこで出てくる結論の是非はともかく、それ以上争いを続けさせないという意味では、一定の有効性はあるのでしょう。

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執筆者プロフィール
宇野重規
宇野重規 1967年生れ。1996年東京大学大学院法学政治学研究科博士課程修了。博士(法学)。東京大学社会科学研究所教授。専攻は政治思想史、政治哲学。著書に『政治哲学へ―現代フランスとの対話』(東京大学出版会、渋沢・クローデル賞ルイ・ヴィトン特別賞)、『トクヴィル 平等と不平等の理論家』(講談社、サントリー学芸賞)、『〈私〉時代のデモクラシー』(岩波新書)、共編著に『希望学[1]』『希望学[4]』(ともに東京大学出版会)などがある。
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