クオ・ヴァディス きみはどこへいくのか?
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岩礁と中国

徳岡孝夫
 11月、プノンペンで顔を合わせたオバマ米大統領と中国の温家宝首相(C)EPA=時事
11月、プノンペンで顔を合わせたオバマ米大統領と中国の温家宝首相(C)EPA=時事

 

 尖閣諸島をめぐる対立が起きてから、日本を訪れる中国人観光客がめっきり減ったという。大打撃を受けたのは百貨店だそうだが、ホテル・旅館業界も困っている。

 反日暴動が起きて日系スーパーが荒らされトヨタが焼かれた中国へ、日本人が旅行を渋るのは分るが、反中国の騒ぎが全くない日本を避ける彼らの気持ちが分らない。

 

 しかし中国を見る(日本を含む)周辺諸国の視線は、尖閣問題を機にこれまでと一変した。

 40年以上も昔の話だが、日本への旅行から帰国したばかりのタイのシリキット王妃がバンコクのテレビに出て、日本での見聞を語られたことがある。

 王妃は東京の地下鉄に乗られたらしい。

「乗り遅れても、次の電車は×時×分に来ると標示が出て、その通り5分ほどで次のが来ます。プラットホームに、ここにドアが来ると書いてある位置に立って待つと、ちゃんとドアが来て、開くのです。タイも、早くあんな地下鉄が欲しいものです」

 今やバンコクにも地下鉄がある。だが当時の日本は、東南アジアにとって何よりもまず「お手本」だった。

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執筆者プロフィール
徳岡孝夫
徳岡孝夫 1930年大阪府生れ。京都大学文学部卒。毎日新聞社に入り、大阪本社社会部、サンデー毎日、英文毎日記者を務める。ベトナム戦争中には東南アジア特派員。1985年、学芸部編集委員を最後に退社、フリーに。主著に『五衰の人―三島由紀夫私記―』(第10回新潮学芸賞受賞)、『妻の肖像』『「民主主義」を疑え!』。訳書に、A・トフラー『第三の波』、D・キーン『日本文学史』など。86年に菊池寛賞受賞。
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