安倍政権誕生を尖閣問題解決の好機と指摘したタイ華字紙

執筆者:樋泉克夫 2012年12月24日

 自民党勝利、民主党惨敗に終わった今回の総選挙だったが、この「東南アジアの部屋」でしばしば取り上げているタイの華字紙「世界日報」は、12月18日に社説「安倍、強い首相になる。釣魚島危機は最初の挑戦だ」を掲げ、早速反応をみせた。総選挙結果に反映された日本の政治情況をどのように捉え、来るべき安倍晋三政権に何を求めているのか。要点をまとめると、以下の通りだ。

① 民主党の大敗、自民党の大勝の結果、新しい政党の誕生や少数政党の離合集散がみられるだろうが、その大部分が確固とした支持基盤を持たないがゆえに明確な政治勢力とはなりえず、「将来の比較的長期間、自民党が安定的に政権を維持することが予想される」。

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執筆者プロフィール
樋泉克夫(ひいずみかつお) 愛知県立大学名誉教授。1947年生れ。香港中文大学新亜研究所、中央大学大学院博士課程を経て、外務省専門調査員として在タイ日本大使館勤務(83―85年、88―92年)。98年から愛知県立大学教授を務め、2011年から2017年4月まで愛知大学教授。『「死体」が語る中国文化』(新潮選書)のほか、華僑・華人論、京劇史に関する著書・論文多数。
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