米国情報機関が予測する「2030年の日本」

白戸圭一
執筆者:白戸圭一 2012年12月27日
エリア: 中国・台湾 北米

 米国の圧倒的な国力が世界に安定をもたらす「パクス・アメリカーナ」の時代は終焉を迎え、中国は世界最大の経済大国になるものの労働力人口の減少で成長は鈍化し、インド経済の猛追を許す。19世紀の大英帝国、20世紀の米国のような「覇権国家」は存在せず、大きく変貌を遂げた国際秩序の下、日本は衰退の道を歩み続けている------。

 

16の米政府情報機関

 中央情報局(CIA)など米国の政府情報機関で構成する国家情報会議(NIC)が12月10日、2030年の国際情勢を予測した報告書「グローバル・トレンド2030」を公表した。

 冒頭に記したのは、報告書が予測する2030年の世界と日本の姿だ。NICは米国の16の情報機関で構成され、報告書は1997年に初めて作成された。現在は大統領選の年に公表されており、2008年の前回報告書は「2025年の世界」を予測したものだった。およそ20年後の世界を予測して国家戦略の知的基盤とする営みは、覇権国家・米国のグローバル・ガバナンスに対する強い責任意識に支えられているに違いない。

 報告書は全体で140ページに及び、全容を伝えることは元より不可能なので、本稿では日本に関する予測を見てみたい。3年3カ月余の民主党政権に審判を下した衆院選は、事前の予想通り自民党の地滑り的大勝で終わった。こうした日本国民の選択の先に、どのような未来が待っているのだろうか。同盟国・米国の政府は日本の行く末をどのように見ているのだろうか。

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執筆者プロフィール
白戸圭一
白戸圭一 三井物産戦略研究所国際情報部 中東・アフリカ室主席研究員。京都大学大学院客員准教授。1970年埼玉県生れ。95年立命館大学大学院国際関係研究科修士課程修了。同年毎日新聞社入社。鹿児島支局、福岡総局、外信部を経て、2004年から08年までヨハネスブルク特派員。ワシントン特派員を最後に2014年3月末で退社。著書に『ルポ 資源大陸アフリカ』(東洋経済新報社、日本ジャーナリスト会議賞)、共著に『新生南アフリカと日本』『南アフリカと民主化』(ともに勁草書房)など。
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