劉亜洲という人民解放軍上将の「劉亜洲国家思考録」という本が最近、香港で出版されて話題になった。
どうもこの本、実際には劉自身が出版を許可したわけではなく、過去に劉亜洲が発表したさまざまな言論を勝手に集めて本にしてしまった香港にありがちな「ゲリラ出版」の類いのようだ。それでも、劉亜洲という人物の言動は常に注視されてきたうえ、習近平に近いとされていることから、全人代前のこの敏感な時期の出版の背後に思惑があるのかとつい想像をたくましくしてしまう。
劉亜洲の血筋は抜群にいい。父は劉建徳という解放軍の古参幹部、しかも妻の李小林は李先念・元国家主席の娘だ。空軍畑が長く、現在は国防大学の事実上のトップにあたる政治委員の一人で、昨年には上将に出世している。太子党の有力者であるが、単なる二世軍人というわけではない。解放軍のなかで際だって筆の立つ男として知られている。
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