「核実験決定」で集まった北朝鮮「7人の外交・安保幹部たち」

平井久志
執筆者:平井久志 2013年2月4日
カテゴリ: 国際 外交・安全保障
エリア: 朝鮮半島

 北朝鮮の核実験は、後戻りのできないところにまで来ている。

 1月27日の朝鮮中央通信によると、金正恩(キム・ジョンウン)第1書記は外交安保部門の幹部を集め「国家安全・対外部門の幹部協議会」を開催し「国家的重大措置」を取ることを表明した。

 北朝鮮は2006年や2009年の核実験の際に、こうしたことは公開しておらず、幹部会が報道されるのは初めてだ。朝鮮中央通信は会議の目的を「現情勢に対処するため」としているが、まだ若く、経験の浅い金正恩第1書記が外交・安保部門の幹部たちと協議の上で重要決定をしているという安心感を国民に与えると同時に、金正恩第1書記がこの会議を召集したことを公開することで、核実験が金正恩第1書記の指導下で行なわれたことを示すプロパカンダであろう。

 金正日(キム・ジョンイル)総書記はこうした会議を開かず、独断で方針を示したが、金日成(キム・イルソン)主席は幹部と協議する姿を公開した。ここでも金正恩氏は「金日成スタイル」を復活させた。

 この「国家安全・対外部門の幹部協議会」は、韓国の盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権時代に存在した「国家安全保障会議」(NSC)や朴槿恵(パク・クネ)次期政権で設置が検討されている「国家安保室」などを連想させるが、常設機構ではなく、核実験強行までのプロセスを内外に誇示する臨時の幹部会議とみられる。

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執筆者プロフィール
平井久志
平井久志 ジャーナリスト。1952年香川県生れ。75年早稲田大学法学部卒業、共同通信社に入社。外信部、ソウル支局長、北京特派員、編集委員兼論説委員などを経て2012年3月に定年退社。現在、共同通信客員論説委員。2002年、瀋陽事件報道で新聞協会賞受賞。同年、瀋陽事件や北朝鮮経済改革などの朝鮮問題報道でボーン・上田賞受賞。 著書に『ソウル打令―反日と嫌韓の谷間で―』『日韓子育て戦争―「虹」と「星」が架ける橋―』(共に徳間書店)、『コリア打令―あまりにダイナミックな韓国人の現住所―』(ビジネス社)、『なぜ北朝鮮は孤立するのか 金正日 破局へ向かう「先軍体制」』(新潮選書)『北朝鮮の指導体制と後継 金正日から金正恩へ』(岩波現代文庫)など。
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